トリケトラ

今夜のマインドフル・アートではケルティック・ノット/ Celtic knot 「ケルトの組み紐文様」のひとつを描き出しました。最初はトリケトラです。

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トリケトラは三位一体の意味があり、諸説ありますが 空・大地・海を表しているといわれています。また、ケルト文化圏では日本と同じように自然崇拝が暮らしに浸透しています。肉体は滅びても魂は不滅という輪廻転生の宗教観もあるみたい。恩送り&循環の文化、ですね。親日家が多いのもうなずけます。

他にももさまざまな文様があります。
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タイトルの写真はアイルランドの国宝「ケルズの書」の一部。8世紀ごろに信仰に生きた修道士たちが牛皮に書き写した福音書で、いたるところに美しい装飾が施されています。

グルグルとした渦巻きやトリケトラのように組紐を思わせる文様は、キリスト教よりもケルト文化の影響を受けたものみたいです。

アイルランドでは室内の装飾にもケルト文様を施す家庭も多く、魔除けやお守りとしても使われています。古代からの伝承が暮らしに溶けこんでいるのが素敵ですね。

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こちらの写真はエアーリンガス。アイルランドの航空会社の名称です(ケルト語で航空艦隊の意味)。ロンドン~ダブリンを結びます。機体は小さく、羽田~鳥取と同じ機種です。でも、内装もCAさんの制服もすべて緑色でかわいいのです。機体後ろのクローバーはシャムロックといって国花です。

アイルランドにキリスト教を広めた聖パトリックは、シャムロックの3枚の葉をそれぞれ「父なる神」「子イエス・キリスト」「聖霊」にたとえ、それらが一つの茎でつながっていることを示して三位一体を説いたそうです。

宗教と古代ケルト文化は共鳴し続け、数字の『3』は意味をもってシンボリックに表現されてます。




さて、わたしがアイルランドの土地を踏んだのは1980年代後半。じゃがいもと民族音楽と観光資源しかないといわれていたアイルランドに、首都ダブリンを中心にアート&デザインのムーブメントが起こりひとり旅立ちました。今夜は若かりし日を思い出し、なつかしい時間となりました。

ご参加いただいた皆さんありがとうございました。