6月最後の日曜日の午後、3月に開催予定だった企画が満を持してリベンジ開催されました!
開催されたのは「性について」シリーズの3回目。今回は「子供への性暴力、男の子の性暴力」を取り上げた上で「安心できるまちづくり」に焦点を当てました。

ゲスト講師はCenter for HEART代表の熊谷珠美さん。臨床心理士·公認心理師として「心のトラウマ」、特に性に関わる傷つきについて取り組まれており、中でも少年や男性の性被害については、ガイドブックの執筆、相談員向けの研修もされています。
普段は専門家の方々に話すことが多いという珠美さんですが、今回のようにカフェで一般の方向けにお話しできることをとても楽しみにされていました!

会場には親子で参加してくれた小・中学生、男性も数人見えて、「性について」シリーズ過去一多様性がある回となりました!「性について学ぶ」というイベントには、どうしてもお母さんの参加者が多くなります。それは子供の世話や教育がお母さんの役割とされる、偏った役割意識からかもしれません。
このシリーズの裏目標として、参加者のジェンダーが、男女半々のパリテになることを密かに目指しているので、とても嬉しい回となりました!

会場に到着した皆さんに、まずは今日の相棒として気に入った人形を一つ選んでもらいました。
「性暴力」というテーマに触れる中で胸がギュッとなることがあります。そんな時小さく柔らかいものに触れるという触感を通じて、安心感を得ることができるからです。皆さんがそれぞれの理由で人形を選ぶ姿にすでにホッとする空気が流れました。

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イベント前半は「被害を打ち明けられたら?」というお話でした。男性の4人に一人、女性の2人に1人がなんらかの性暴力に遭っているという現状にも驚きましたが、同時に誰かにそれを打ち明けられることは身近にあり得ることでもあります。そんな時どのように接してあげるとよいのか。話してくれた相手を大切に思う。今も危険なのか確認してあげる。など、打ち明けられた側ができる声掛けについて教えていただきました。そして相手と同じくらい自分の心のケアも大切にすること。五感に意識を向けて自分を今ここに取り戻し、安心した気持ちで話を聞くことの大切さを伝えてくれたことが、とても印象的でした。

後半では、男の子の性被害についてと、スケーリングワークショップを行いました。性暴力は性的指向とは関係なく「暴力」であるということ。男の子はふざけ合いの中で見過ごされてしまい言い出せない。など、女の子とは違った問題があることなどを聞き、昔教室でふざけ合っていた男子の戯れをふと思い出しました。自分を含め「性暴力」という認識がなく見過ごされていたかもしれない。と、認識することの重要さを感じました。

最後はお待ちかねのアウトプットの時間。スケーリングワークショップでは、それまで静かに聞き入っていた参加者の皆さんも、珠美さんからのお題に対して次々とポストイットに意見を書き出してくれました。一つ一つの意見を大切に読み上げてくださる珠美さんに安心感を感じながら、「子供たちが守られる理想の社会」「守られない最悪の社会」を皆で設定し、そのコントラストに「うっ」と一瞬なりながらも w それぞれが思う現在地はどこなのか?そして一歩でも理想に近づくためにできることを考えました。

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初めは感情がジェットコースターでしたが・・「こうなったらいい!」というアイデアを出していく作業は、心が少しづつ安心の中に溶けていくような感覚があり、不思議と心地よいポジティブな状態に落ち着いていくことができました。

最後に珠美さんから出されたお題は、
「明日からできる自分のアクションを書いてみてください」というものでした。
この日色んな視点から出た「もっと安心できる社会のために必要なこと。」それは制度だったり、一部の決定権のある人間が動かせるような、すぐには変えられないものもありました。ですが、社会はここにいる一人一人の人間の集まりでもあります。「夫に今日の話を報告したい」とシェアしてくれた方もいました。少なくともあの場では、対話や発信のような目の前からできる小さなアクションが、社会の大きな変化につながるのだ。という想いを共有できたように感じます。

帰り際、私の近くの方のポストイットがチラッと見え、そこには「呼吸を整える」とありました。
性暴力だけでなく、社会には目を逸らしたくなるようなことがあります。
何よりもまずは呼吸を整えよう。そして「性」をタブーにせず「暴力」にNOという。
自分を安心させることからスタートし、そこから波紋のように安心できる社会を広げていきたい。
改めてそう思えた日曜日でした。

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